ここ3日間連続して毎晩ホタルを見に安曇野へ通ってました。

 

ホタルってうまく写真に撮れないんですよね。時々スーッと数匹のホタルが光の尾を引いた写真を見ますが、ありゃプロにしかできないワザです。とても真似できません。何枚も撮りましたが無理です、諦めました。

 

安曇野のホタル

 

で、ようやく撮れた写真が数枚ありますがこれです。

 

なんとか2日目でホタルを写真に収めることに成功したんですけど下手すぎ!懲りずに次の日も行ったんですが、雨で車外に一歩も出られませんでした。

 

安曇野の清流はホタルの生息地

 

安曇野の湧き水にはホタルが生息していて、7月中旬から8月初旬頃までの短い季間、美しく幻想的な光を楽しむことができます。

 

安曇野は北アルプスの麓にあり、湧き水の宝庫です。いたるところに名もなき小川が流れています。そして、その場所にホタルがいます。

 

3日間、カメラを手に「ホタル見に行ってくる!」なんて言って家を出るワケですが、なんとも贅沢で風流な田舎の楽しみ方です。まさに田舎暮らしの醍醐味、これ以上の贅沢はありません。

 

まだ昼間の暑さが残る7時ごろにカメラを持って家を出ます。目指すは安曇野の清流郡です。

 

最初に行ったのが、ビレッジ安曇野の敷地内にある湧き水探策路です。ここは湧き水を無料で汲める場所があり、時折近所のおじさんがペットボトル片手にやってきます。

 

夏の暑さが残り、セミの鳴き声がまだまだ元気な薄暮の7:50ごろ到着し、完全に闇が辺りを包むまで待つこと10分、川の岸辺にハッキリと輝き始めた1点の光!いました!ホタルです。暗闇を心待ちにしていたかのごとく光り始めました。

 

久しぶりに見ました。あっ!ホタル!胸の中で叫びました。もう、大興奮です。

 

この場所でホタルを確認できたのは1匹だけでした。周囲にこれ以上いそうにありません。もっと探せばいたんでしょうけど、はじめて来た場所で勝手も分からないので暗闇で散策するのも危険です。

 

行かれる方は、ビレッジ安曇野に看板が立っているので、そこで湧き水探索路を探して行ってみてください。裏庭の奥にあります。

 

 

場所を変えてホタルを探すことにしました。

 

大王わさび農園の近くの清流にたくさんのホタルを発見!

 

次に向かったのは、大王わさび農園の近くにある水色の時の道祖神のすぐ近くを流れる名もなき清流です。この清流は大王わさび農園内のわさび田へと続きます。水色の時の道祖神はぼくの好きな場所の1つで、桜の季節になるといつも来てます。

 

駐車場に来ると地元の先客が2人いました。どうやら夫婦のようで、毎晩見に来ているようです。どこにホタルがいるのか教えてもらいましたが、そんな必要もないくらいすぐに見つけられました。

 

川にかかる橋の上から覗いてみると、いました!ホタルです。幻想的な光を輝かせています。

 

はじめは暗闇に目が慣れていないせいか、うっすらとしかホタルの光が見えませんが、間もなくすると目が慣れてきて、たくさんの光が目に入ってきます。30匹以上はいます。

 

黄色と緑色の中間のような色です。ごく小さなピンホールのような点の光ですが、LEDのようにはっきりとした輝きなので一匹一匹がどこいいるのかすぐに分かりそうです。川をはさんだ両岸に水草が生えていますが、そこの茂みの中にいるようです。

 

ホタルはゆっくりとした点滅を繰り返します。ゆらゆらと飛びながら光るホタル、光りながら一直線にスーッと飛んでいくホタル、じっと動かずその場で光り続けるホタル、ホタルにも個性があるようで見ていて飽きません。

 

しばらく見ているとぼくの頭上を飛んでいくホタルも数匹いました。多分捕まえて手に取ってじっくり観察することもできるんでしょうけど止めておきます。

 

安曇野のホタル

 

足元にもよく見ると数匹のホタルがいました。

弱っているようであまり動きません。まもなく寿命を迎えるホタルでしょうか。

 

近づいて写真に収めさせてもらいました。悲しいけどそれが一番キレイに撮れました。なんとなくホタルらしい写真です。

 

耳を澄ますと、川の流れと虫の鳴き声だけが聞こえてきます。そこに音もなくホタルの光だけが漆黒の闇の中に浮かび上がります。なんと幻想的なんでしょうか!

 

これは自然のイルミネーションですね!都会の夜景や花火のような人工的なイルミネーションよりもホタルの光の方がずっとずっとキレイです。

 

諏訪湖の花火よりも隅田川の花火よりも長岡の花火よりもずっと見とれてしまいます。こんな素晴らしい風景はいつまでも残してほしいものです。

 

先客の2人は帰ってしまったので周りには誰もいません。ぼく1人です。

 

ホタルが見える有名なスポットというと、近所が車で渋滞して、人が大勢いる場所が多いようですが、ここではそれはありません。人の気配すらありません。

 

暗闇の中では昼間と違って目から入る視覚の情報が極端に少なくなるので、わずかな光にも敏感になります。そして視覚以外の感覚もいつもより敏感になります。

 

時々数百メートル先を走り抜ける車のライトや、遥か遠くに見える街の明かり、川の流れの音と虫の鳴き声がはっきりと耳に入ります。そしてそれ以上にホタルの光がハッキリと目に入ります。

 

しばらく写真を撮るのを止めてホタルの光に見とれていました。映画「火垂るの墓」のワンシーンを思い出して切なくなってきました。きっとホタルも短い命なんだろうなぁ…。

 

安曇野には広範囲でホタルの生息地があります。田舎暮らしをしている者にしては清流とホタルは日常的な普通の光景なのかもしれません。都会の人からすると信じられなことだと思います。

 

今回2箇所だけ安曇野市内を回りましたが、おそらくホタルが出る場所は探せばいくらでもあるのではないでしょうか。こんなに日常的に普通にホタルが出る安曇野って本当に素晴らしいところだと思います。

 

ホタルの見頃は7:00から8:00ぐらいまでです。わずか1時間ばかりの間一生懸命輝き続けます。9時を過ぎる頃になると途端に光の数が減ります。ホタルを見に行く方は時間に気をつけましょう。

 

安曇野の清流

 

これは昼間に下見に来た時に撮ったホタルがいる清流の写真です。特に名前はありません。

 

バイクでツーリングで来た観光客が時々立ち止まって写真を撮ってます。

 

子供の頃、実家のある名古屋緑区でホタルが大発生、それ以来のホタル

 

その昔、ぼくが小学生の頃、名古屋の実家近辺で1年だけホタルが大発生したことがありました。その時依頼ですね、ホタルを見たのは。

 

名古屋市内でホタルが大発生したのはあれが最初で最後だったのではないでしょうか?当時地元では新聞やテレビで連日のように報道され話題になりました。

 

あのホタルは一体どこから来て、どこへ去って行ったんでしょうか?今でも時々ふとあの時の光景を思い出すことがあります。

 

 

久しぶりに見たホタル、感動ですね。街のネオンよりも、遊園地のパレードよりもずっとずっと美しいです。この光は決して人の手では作ることはできません。

 

明日も時間があったら見に来る予定です!