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回転寿司の店内

 

いつもはテレビなんて見ないんですが、久しぶりにお昼にテレビを見ました。嫁の実家に帰って、みんなでお昼を食べていた時のことです。

 

それは、情報バラエティ番組などと自称している「ヒルナンデス」という番組です。

 

まぁ、だいたい想像はしてたんですが、くだらない内容ですね。ほんとくだらない。見るだけ時間の無駄です。バカバカしくなってきます。こういう番組を真剣に見ている人っているんでしょうか?いるんでしょうけどね(笑)。

 

とはいうものの嫁の実家なのでぼくが勝手にテレビの電源を切るわけにもいきません。少しテレビから離れたところでお弁当を食べながらヒルナンデスをチラチラ見てました。

 

ちょうど見ていた時に、番組内で回転寿司チェーン店の紹介をしていました。

全国には回転寿司チェーン店が76(?)種類ほどあるということです。そして、その中で顧客満足度全国1位の回転寿司チェーン店として北海道にある「トリトン」というお店を紹介していました。

 

聞いたこともない回転寿司トリトンが顧客満足度1位?!

 

はあ?トリトン???そんな回転寿司店聞いたことも見たこともありません。スシローやハマ寿司、くら寿司なら知ってます。もちろん食べたこともあります。おそらくほとんどの方がぼくと同じではないでしょうか。

 

では、なぜそんな知名度もないような回転寿司店トリトンが全国1位に選ばれたか?

 

実は答えは簡単なことです。

ネタが新鮮だから?北海道産にこだわっているから?いえいえそんなことじゃありません。もっと簡単なことです。

トリトンがスポンサーとしてテレビ局にお金を払ってヒルナンデスという番組で取り上げてもらっているからです。まぁだいたいみなさん想像がついてることでしょうけどね。

 

その後、お決まりのようにお笑い芸人と番宣を兼ねて出演している女優が店舗で実食して「うまい、うまい」を連発。顧客満足度全国1位の根拠になるように、後でとってつけたように、寿司の美味しい食べ方、北海道産のこだわり、ネタが新鮮、のようなことを延々と説明を続けます。

 

全国1位っていう根拠は何?北海道にしか店がないのに、北海道以外の人にアンケートを取ったらトリトンなんて選ばれる可能性すらないんじゃないの?

 

全国1位の根拠があれば、例えば東京の新橋で回転寿司から出てきたサラリーマン100人に聞きましたなどと付け加えるでしょうけどね。何も根拠がない証拠です。とにかくテレビ局が1位と言えば1位なんです!と言わんばかりです。

 

そもそも統計なんていい加減なものです。根拠もないような統計など軽々しく日本一などと発表するべきではないと思います。

 

世の中には根拠のない怪しい統計結果がいっぱい

 

かつて、「世界一美味しい朝食」などと東京の某ホテルの朝食がテレビでさかんに取り上げられていました。よくよく聞いてみると、どこかの新聞記者がそう称しただけのこと。一個人の感想をここまで大々的に「世界一」なんて称するのもおかしな話しです。

 

味覚などというものは個人の趣向、全員が美味しいと感じるはずもなく、それを世界一と表現するのは浅はかさは極まりないと思います。

 

岩城滉一いわく、「ぼくは嫁さんの作った朝食が世界一で一番美味しいと思う」。うーん、いいこと言うね!これならうなずけます。

 

最近は国の発表する統計も怪しい数字でいっぱいです。デタラメな経済指標で、さも景気が順調に回復しているかのようにPRしていますが、実態はボロボロの日本経済です。

 

まさかそれに乗じて民放も根拠のない統計を責任もなく流しているワケじゃないでしょうけど、でも根拠のない統計を視聴者を信じさせる道具として使ってほしくないものです。

 

こういうヒルナンデスのような放送を見て、内容を鵜呑みにする視聴者は「あ!顧客満足度全国1位のトリトンだ!入ってみようか」ってことになるワケです。

 

しかも近々東京にトリトンが上陸するということです。事前にPRすることで集客を狙ったことは言うまでもありません。

 

最近のテレビ番組は、番組全体がヤラセのCM

 

つまりテレビ局は公共の電波を使ってずっとトリトンの宣伝をしているんです。番組の内容自体全てがヤラセのCM、つまり広告と言えます。もちろんトリトンはスポンサーとして高額なCM料金を支払っています。先程の世界一の朝食も、間違いなくスポンサーとしてテレビ局にCM料金を支払って番組で取り上げてもらっています。

 

ヒルナンデスは2時間の番組ということですが、おそらくほぼ全て商品紹介のCM放送ということでしょう。番組と番組の間に流れるのがCMというだけでなく、番組自体がヤラセのCMになっているんです。それを視聴者に延々と洗脳するかのごとく商品PRやお店の紹介を続けます。こんな番組を延々と見せられて、視聴者をバカにしているに過ぎません。番組内で美味しい美味しいと連呼すれば、それにつられてみんな買ったり食べたりするんです。

 

この傾向はヒルナンデスだけに限ったワケではありません。

長引く景気の低迷で、スポンサーとなる企業もあまりテレビCMに費用をかけられないため、テレビ局も限られた予算で番組を作らなければなりません。

 

すると番組内で商品をPRするのが一番手っ取り早くなります。グルメ番組でお店を取り上げてもらい、美味しい美味しいと連呼すれば宣伝になります。もちろん番組で取り上げてもらうのはお金が必要です。特に美味しくもないお店でもテレビ局にお金を払えば、番組内でいくらでも紹介してもらえます。

 

テレビで紹介されていたので行ってみたけど、大して美味しくもなかった、というのはそのためです。

 

数年前、ライブドアの堀江貴文氏がフジテレビの株を大量に購入して経営権を取得しようとしたことは記憶にまだ新しいです。

その時社長だった日枝氏は、しきりにテレビ局のことを「公共の電波」と表現していました。この公共の電波という言葉に最近特に違和感を覚えます。

 

くだらない内容ばかりで見るに値しないテレビ番組

 

芸能人の不倫報道や商品のPR、番宣やクイズやバラエティばかり放送して、何が「公共の電波」だって言いたくなります。テレビの内容ってホント笑っちゃいます。この程度が公共の電波と言うようならテレビ局はないほうがよほど国民のためになります。

 

と言うか、テレビ局の存在が既に曲がり角に来ているんでしょうね。今の若者はあまりテレビを見ません。お年寄りが今や視聴者の中心です。若者はスマホばかりやっていてテレビを見なくなったと言いますが、それだけが原因ではないと思います。見る価値そのものが無くなっているからではないでしょうか。今のままではさらにテレビ離れは進行するでしょう。

 

テレビって座って見ているだけだから楽なんですよね。一方的に目から映像が入ってくるだけで頭を使うこともありません。人間ってついつい楽な方へと流されてしまいます。頭を使わなくなった人間はどうなるか?きっと記憶力が低下し、痴呆も進行します。テレビは見ない方がいいに決まってます。まぁ、そんなことテレビ局が報道するはずもありませんけどね。視聴者がそのことを知ったら誰もテレビを見なくなってしまいます。

 

見たい番組だけ見て、後はテレビの電源を切る

 

いい加減そういうことに1人1人が気付く時期に来ているのではないでしょうか。ボケっとテレビの前に座ってぼんやりとテレビを眺めているだけの時間の費やした方はおしまいにしましょう。

 

テレビを見るな、とは言いません。目前に迫っている災害や犯罪の情報など、テレビは一瞬にして多くの人に必要な情報を届けるという利便性もあります。

 

垂れ流しで朝から晩までテレビをつけて、チャンネルを変えながらて、その時に一番おもしろそうな番組を探して見るようなことは止めた方がいいんじゃないかって思います。

 

テレビのリモコンにはもちろん電源を切るボタンもついています。自分が見たい番組、必要な情報だけを選んで、その番組が終わったら電源を切る、そんな基本的なテレビの見方を多くの方が実践される社会が来ることを期待して止みません。