- 投稿 2017/09/28 更新
- 松本市
松本市内を歩いていると、時々観光客の方にこう聞かれることがあります。
「あの~、お城のような本屋さんってどこかご存知ですか?」
松本城や開智学校のようなメジャーな観光地なら誰でも知っているはずですが、お城のような本屋さんと聞いて、地元の人でもはたして理解してもらえるだろうか?という半信半疑な様子で聞いてくる方がほとんどです。
けれどご安心ください。松本市民なら誰でも知っている有名な古本屋さんなんです。これまで何度となくテレビでも紹介されています。普通に市内の光景として溶け込んでいるので、地元の人は特に気に留めることがないくらいです。
はい、はい、知ってますよ。青翰堂ですね。あそこを曲がって、まっすぐ行って…って感じのやり取りを今まで何回もしてきました。松本城のすぐ近くなので説明はいたって簡単です。
青翰堂には立派な天守閣もあります
この古本屋さんは青翰堂(せいかんどう)といいます。店主が松本城のことが大好きで、マネて作ったという噂です。
一説によりますと、もともとこの青翰堂、東京の明治大学近くにあったそうです。戦争中に松本に疎開し、戦後この松本で営業を再開したということです。
よく見ると立派な天守閣まであります。ホントよくできてますね。精巧にできた松本城のミニチュア板です。
古本屋さんと言ってもなにやらマニアックな雰囲気で、中は暗くて入りずらい感じでいっぱいです。普通の人は外から眺めて数枚写真だけ撮って通り過ぎていくようなサビれた書店です。
今ままでぼくも何度となく前を通っていますが、中に入ったことは一度もありませんでした。
なぜか札幌オリンピックの記念乗車券が売られていました
たまたま前を通ったら面白そうなモノを発見。札幌オリンピックの記念乗車券や消印が押された松本城をデザインした記念切手などです。しかも100円!いつからここに置いてあるのか分かりませんが、10枚ほどはあったと思います。外に置いてあるので、風が吹いたら飛んでいってしまいそうです。
これはレア!特に札幌オリンピックの記念乗車券なんて100円以上の価値があるのではないでしょうか!
物珍しさも手伝って、購入を決意!そして勇気を持って店内へ。開かずの扉が開かれた瞬間でした。
古びた本が積まれた店内
中は薄暗く、古い着物が湿気をおびて放つようなカビっぽい臭いがします。店主の趣味で集めたのか、捨てられずそのままにしてあるだけか分からないような骨董品のようなモノも並んでいます。シーンと静まりかえった店内は独特の雰囲気で昭和の始めにタイムスリップしたようです。そして時間の流れが一瞬止まったような気がして戸惑ってしまいます。
古びた本もずらりと並んでいます。一体誰が買うのだろうか?と余計なお世話かもしれませんが考えてしまいます。
なかなか入りづらい書店ですが、勇気がある方は是非店内に入ってみてください。
記念乗車券はまだあると思いますから、興味がある方は購入を検討してみては?非常に珍しいので転売すればもっと高値で売れると思います。
松本市内にはこういった古本屋さんがいくつかあります。きっと古本好きな方が多いんでしょうね。
住所はこちらです。松本城の比較的近くにあります。
長野県松本市大手3丁目5-13