- 投稿 2017/10/12 更新
- 中信(長野県の中央)
長野県というと山に囲まれた大自然というイメージですが、実は歴史的にも価値の高い文化的な要素の強い建築物が多く点在しています。
その1つがここ、奈良井宿です。ぼくが大好きなスポットです。ここに来るのはもう5回めくらいになります。
サラリーマン時代にも仕事中に訪れた事が2回ほどあります。近くまで来るとついつい寄ってしまうんですよね。
奈良井宿に一歩足を踏み入れると江戸時代にタイムスリップ
一歩足を踏み入れると、そこには200年前の江戸時代の町並みが続きます。
えっ?ここはどこ?いつの時代なの?
周りを見渡すと、そこは江戸時代です。人々の明るい表情でいっぱいです。ずっと朝から歩きずめの旅人が、今夜のお宿を見つけてほっと安堵している表情がそこらで見られます。
木曽路は周りが高い山に囲まれているので日が暮れるのが早いです。急いで宿場町に入った頃にはどっぷりと日が暮れて、宿場町のあちこちで淡いローソクの薄明かりが周りを照らしはじめます。
奈良井宿がいっぱいなら次の宿場町まで歩いていくか、あるいは野宿しかありません。今と違って移動手段は自分の足しかないですからね。
そんな事を思いながら一軒一軒を宿場町の隅から隅まで歩いてみると楽しいですよ。
木曽路には中山道の宿場町がなんと11も点在
奈良井宿とは中山道の宿場町のことです。宿場町とは、旅の道中に立ち寄る宿が集まった町ということです。
江戸時代、江戸と京の都を結ぶ重要な街道であった中山道ですが、宿場町は全部で69ありました。その中でもこの辺り一帯の「木曽路」と言われる地域には11もの宿場町が存在しました。
奈良井宿は木曽路11宿の中で北から2番目にあたります。上町・中町・下町の3つの街区から構成されていますが、ほぼつながっていて、端から端まで歩いてその町並みを楽しむことができます。
今なお日本の古き良き情緒を色濃く残す長野県を代表する観光スポットと言ってもよいでしょう。
なんというか、手入れが行き届いている古い物っていいですよね。人の手によって作り、育て、そして大切に使い続けて大切に守っていきた歴史を感じます。まるで建物自体が息遣いをしているようです。
そんな長年にわたって生き続けた建物は、春夏秋冬、晴れた日、曇った日、雨の日、雪の日で、それぞれ違った表情を見せてくれます。それが見ていてドキドキ・ワクワクしてきます。この先もずっとここの生き続けておくれよ!って話しかけたくなります。
間口は狭く、奥行きのあるなんとも言えない情緒のある建物が立ち並んでいます。
どこから見ても木曽路は山の中
木曾路きそじはすべて山の中である。あるところは岨そばづたいに行く崖がけの道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道かいどうはこの深い森林地帯を貫いていた。
島崎藤村 「夜明け前」より引用
木曽路って本当に山の中なんですよね。切り立った山の間をぬうように国道19号が通っていますが、景色がいいんです。
ぼくは時々実家がある名古屋へ帰りますが、時間があるときは高速道路を使わず下道で行きます。それは晴れた日でも雨の日でも雪の日でも同じです。
晴れていなくても情緒あふれる木曽路はいつ走っても楽しめます。
この日は天気が良かったので行ってみたのですが、建物の影が通路を覆うため、あまりキレイに写真を撮ることができませんでした。
キレイな写真を撮りたいのなら太陽が真南に上がる昼頃がおすすめです。
それから観光客が少なくなる夕方以降はさらに情緒が増しておすすめですよ。
中山道の宿場町は長野県内には他にも多く残っているので、当サイトでも順に紹介していきたいと思います。中には200年前のまま保存されている建物もあり、ゆっくり歴史を感じながら散策できますよ。
奈良井宿:長野県塩尻市奈良井
アバウトな住所ですが、国道19号線沿いにあります。