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松本市波田のカタクリの群生地

 

松本市波田の上海渡(かみがいと)という地域に、カタクリの群生地があります。

 

全国にはカタクリの群生地といわれる有名な場所が13か所ほどあるようです。そのうちの1つがここ松本にあります。身近なところにこんな素晴らしところがあるなんて知りませんでした。

 

場所は、松本市内から上高地へ向かう国道158号線沿いにあります。158号線とほぼ平行して走る上高地線の終着駅でもある新島々駅の近くです。

 

左手にセブン-イレブンがありますが、その直前のお蕎麦屋さんの看板がある細い道を左に入ります。そのまま踏み切りを超え、まっすぐ走ると稲荷神社がありますが、そのすぐ右手の細い道沿いです。

 

斜面に広がる20,000株のカタクリは息を飲む美しさ。

 

カタクリの群生地

 

集落のすぐ近くに広がる傾斜40度ほどの斜面に、およそ2万株のカタクリが広がっています。

 

広さとしては10メートル×200メートルぐらいでしょうか。後ろには雑木林が広がっているので、日中でもうっすらとした場所です。

 

そこに淡い紫色の花を斜面の下側に向けたカタクリの群生地が広がります。

 

温められた春の風が斜面に沿って吹き上げると、一斉にカタクリの花弁もヒラヒラと揺れます。その姿はまるで妖精のようです。飛んだり跳ねたりして、春の訪れを喜んでいるかのようです。

 

そんな様子が可愛らしいこと!それまでただじっと咲いていただけのカタクリの花が、生を受けたようにリズムカルに動きます。

 

春の訪れを告げる花は桜だけじゃないんですね。

 

松本市波田のカタクリの群生地

 

1株でだいたい3輪ほどの花が咲いていますが、中には5輪ほど咲いている花もあります。葉のグリーンと花びらの紫色のコントラストが絶妙です。水彩画のうよな世界です。

 

下を向いて咲く姿はなんとなくシクラメンみたいですね。

 

松本市波田のカタクリの群生地

 

花びらは細長く淡い紫色をしています。途中で反り返るように反転して上を向いています。花糸は濃い紫色をしていて、花の奥から突き出すように外に向かって伸びています。

 

いやはや、自然の造形美ってほんと見事ですね。

 

カメラの愛好家がたくさんいました。

 

松本市波田のカタクリの群生地

 

地面に寝転がって写真を撮っている熱心なカメラマンも数人いました。なかなかどかないんですよね。早くどいてほしんですけど。

 

斜面に沿ってカタクリは咲いているので、下から見上げるように撮るとうまく撮れるようです。

 

カタクリは絶対に摘み取らないでください!

 

カタクリを摘んでいるおばさんがいましたが止めてほしいものです。

 

天然記念物とまではいかないので、軽い気持ちで摘んでいるんだと思いますが、実は地元の方々が日頃から愛情を込めてカタクリの手入れをしているんです。

 

そんなカタクリに対する思いを摘み取ってほしくないですね。1輪だけでしたからぼくも何も言いませんでしたけど、もっと摘むようなら注意していたと思います。もしも目撃された方がいらっしゃったら注意してあげてください。