• 松本市

乗鞍高原に咲く水芭蕉

 

乗鞍高原にある一ノ瀬園地という湿地帯は、全国でも有数の水芭蕉群生地です。

ちょうど今の時季が見頃ということでさっそく行ってきました。

 

松本市内から上高地へ向かう国道158号線をひたすら走り、途中左に曲がって乗鞍高原方面へ向かうと、そこはまだまだ雪が残る高原の別世界です。

 

湿地と小川をぬうように遊歩道が作られています。その遊歩道を15分ほど歩くと次第に水芭蕉の花が一面に広がります。

 

乗鞍高原に咲く水芭蕉

 

一ノ瀬園地に到着すると広い駐車場があり、写真のような手書きの看板がありますので、入り口はすぐ分かると思います。近くにキャンプ場があるため駐車場は多めにあります。

 

乗鞍高原に咲く水芭蕉

 

とにかくスゴい!これほど群生している水芭蕉を見たことがありません。

 

はじめはポツリ、ポツリと数株が顔を出しているだけの水芭蕉でしたが、奥へと進むにつれてその数はイッキに増えます。

 

水芭蕉は不思議なことに人が通る通路側に背を向けて咲いているような気がします。人間が嫌いなのかな?ってマジで思ってしまいます。

 

この辺りは、冬は一面深い雪に覆われているはずです。そんな寒さに耐えて毎年春のおとずれとともに花を付ける可憐な水芭蕉が愛おしくもなります。

 

毎年雪解けとともに一斉に咲き誇り、この地に春のおとずれを正確に教えてくれる水芭蕉は、きっと何千年、何万年と同じ営みを繰り返しているんでしょうね。このか弱い植物のどこにそんな生命力が隠されているのか不思議です。

 

乗鞍高原に咲く水芭蕉

 

水芭蕉と言ってもあまり馴染みがないので調べてみると、花と言われるのは中心の黄色がかった部分のことを言い、花のように見える白い部分は「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる葉の一部ということです。

 

シベリア、サハリン、千島列島、カムチャッカ半島、北海道、本州の北部など、やはり寒いところに群生するようです。

 

乗鞍高原に咲く水芭蕉

 

どこまでも汚れのない「白」とはこういう色のことを言うんでしょうね。看護師さんの洗いたての白衣のような白です。柔らかみのある温かい白でもあります。

 

乗鞍高原に咲く水芭蕉

 

途中でこんな「熊よけ」という鉄棒が何箇所かにぶらさがっていました。これをカンカンと太鼓のバチのようなもので鳴らして熊にこちらの存在を知らせて、近づいてこないようにするのが目的だというです。

 

2,3回叩くのが適度のようで、それ以上叩くとかえって熊を刺激するそうです。

まさかこんな原始的な手段で熊をよけられるのか??と、最初は半分冗談で設置してあると思ったんですが、何箇所も設置してあります。これはマジで熊が出るみたいです。

 

最近は全国各地で人が熊に襲われたニュースを耳にするので心細くなってきました。歩いているうちに途中何度も横を見ながら振り返りながら歩きました。

 

平日はこういう人里離れた場所は人が少なくて閑散としているので怖くて1人では歩けないですね。

 

乗鞍の奥地にこんな素晴らしい光景が広がっているとは知りませんでした。オススメです!